今までなんとなくお寺さんにお参りしてもらっていた報恩講。意味や気になるお布施の金額まで紹介します。
浄土真宗で最も大事な法要 報恩講とは?
年末が近づいてくると各お寺や浄土真宗門徒の家庭でもお勤めされる報恩講(ほうおんこう)。
本山では親鸞聖人の命日を中心に 西本願寺は新暦で1月16日(東本願寺は旧暦で11月28日)に行われます。
地方によっては「ほんこさん」また揃って本山の法要に参拝できるよう取り越して(期日より前に行う意)「おとりこし」と呼ぶ地域もあります。
報恩講(ほんこさん)どういう行事なのか?
報恩講 の意味を説明しますと「報恩」とは「ご恩に報いる」「講」は「同じ信心を持つ人の寄り合い」つまり”親鸞聖人の恩に報いるための門徒の集まり”ということになります。
90年の生涯をかけてお念仏の教えを明らかにしてくださった浄土真宗宗祖の親鸞聖人。その遺徳を偲ぶとともにお念仏の教えとの出遭いに感謝する場でもあります。
〇回忌などとは通常は言いませんが 広い意味で言うと毎年行う親鸞聖人の法事のようなものです。
ちなみに他の宗派の門信徒が集まっても報恩講といえますが、今では報恩講といえば、ほぼ浄土真宗のこの法要を指すようになっています。
※大師といえば弘法大師、仏陀といえばお釈迦様なのと同じようなニュアンスでしょうか(笑)
浄土真宗の報恩講お寺でどのように行われるか?
浄土真宗の法要の中で一番大事な 報恩講です。
お寺の飾りも普段よりも豪華です。本堂の周辺や門前に五色の幕や旗が飾られます。
阿弥陀様の安置してある宮殿(くうでん)の脇の供笥に飾られた色とりどりのお供え物。左右一対で飾られますので反対側にも同じものがあります。
蓮如上人の前にもお餅や果物が御供えされます。お餅をのせているのは段盛りと呼ばれる仏具です。
浄土真宗の報恩講の見どころ親鸞聖人一代記 御絵伝
大きなお寺では親鸞聖人の遺徳を偲ぶためにその生涯を絵であらわした「御絵伝(ごえでん)」の掛け軸が左右の余間(ご本尊の両脇の部屋)に飾られ、それを詞で説明する「御伝鈔(ごでんしょう)」が拝読されます。
※下から上に順に独特な読み方をしますが四コマ漫画の元祖のような感じです。
ただ最近では御伝鈔の絵解きができる僧侶が少なくなってきたのでしょうか?一般の末寺ではやらない所も増えている印象です。聞けたら大変良いご縁だと思います。
また僧侶 参加者一同でお勤めが行われた後、法話があります。
お寺での報恩講に参加する時のあれこれ
お寺で勤められる報恩講は着座する前に受付でお布施を納めます。お寺に納めるお布施の金額は 貼り出してある掲示を見る限り1000円~3000円くらいの方が多いです。
受付を済ませたら阿弥陀様の前で合掌、お念仏してから席に着きましょう。
※本当はまず御本尊である阿弥陀様に合掌してから受付が作法ではありますが…
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ご家庭での報恩講のお布施は下の方で紹介します。
一般家庭での報恩講仏壇の飾り方
おうちでお寺さんにお参りいただく際には準備が必要です。
お仏壇を報恩講用に飾りましょう。
通常は年忌法要の飾り方で問題ありません。できれば五具足(花立×2、香炉、蝋燭立て×2)、なければ通常の三具足で結構です。
時期的に打敷は冬用を掛けます。冬用とは別で赤い打敷があればそちらを掛けましょう。(誤解を恐れずにいうと赤や朱色が報恩講カラーです)水引(別名:下掛け、上の写真の緑色の布)と呼ばれる四角形の布があればそれもお飾りします。
※ぶっちゃけ打敷の下に下掛けをしてなかったからお寺に怒られた!なんて話は聞いたことはないのでご安心を。
※難しく考えずに打敷が掛かってて、赤い和蝋燭が用意してあれば基本的にOKです。
報恩講のお参りで用意するお供え
おうちで報恩講のお参りをする場合に必要なものを紹介します。
和ろうそくは百均やホームセンターには売っていないことが多いです。仏壇店で購入しましょう。
報恩講に必ず必要赤い和蝋燭(朱蝋燭)
報恩講では浄土真宗各宗派共通して赤いろうそく(朱蝋燭を)使います。
東西本願寺では主にイカリ型といわれる先の太いものを使います。高田派では棒型を使う傾向にあるようです。(地域により異なる場合もございます)
報恩講ではなぜ赤い和ろうそくを立てるのか?
立てられる蝋燭の色は仏前に座る私たちの心を表します。赤のろうそくや金のろうそくは喜びを表します。
お念仏の教えに出遭えたことをよろこび、教えを伝えてくださった親鸞聖人にも感謝しますという意味がこめられています。
赤いろうそくは報恩講の他にも仏前結婚式や初参式にも立てられます。
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報恩講で必要なもの おけそく(お餅)
以前にも紹介しましたが、浄土真宗では「餅」「菓子」「果物」の順に優先順位が高い御供えとなります。(本願寺出版の資料より)
お寺の本堂にも御供えされますが、家庭で勤められる報恩講にも必要です。また地域によっては親鸞聖人は小豆が好物だったとの言い伝えから赤飯を用意することもあります。
上記に加えて阿弥陀様の前に御仏飯を用意し華瓶(けびょう)にシキミなどを用意しましょう。
※西本願寺、東本願寺の本山が発行している出版物を参考にしています。
家庭の報恩講で用意するもの
・赤い和ろうそく(何がなくても必要)
・線香(いうまでもなく炊きます)
・抹香(焼香するなら)
・打敷(三角の布)
・下掛け、水引(四角の布 あれば)
・おけそく(できれば丸餅)
・仏花、華瓶に樒 シキミ(いつもどおり)
・お仏飯(いつもどおり)
・お布施(金額などは下で説明します)
報恩講お布施の金額や封筒の表書きは?
お気持ちなので金額に決まりはないことは承知でお坊さんに聞いてみました。
気になるお布施の金額は所要時間約30分(お坊さんが表白を読んで 阿弥陀経か正信偈を一緒にお勤めして)を考えると3000円~5000円くらいが適当ではないでしょうか?
知り合いのお坊さんいわく「お参りに行って1000円だとちょっとがっかりする。5000円入ってるとうれしい笑」だそうです^_^;
お坊さん便にお願いすると一律30000円なのでちょっと割高かもしれません。
ちなみに封筒の表書きはシンプルに「御布施」や「報恩講 懇志」とされるのが無難です。
慶事に近いので黄白や紅白の封筒でもいいですが、無地の封筒を使用してもOKです。
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※金額については色んなサイトに色んな事が書いてありますが地方によって異なるとしかいいようがありません。 お住いの地域の仏壇屋なら相場を知っているので気軽に聞いてみてください。 御布施の金額についてお気 ...
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浄土真宗の報恩講 最後に
ただお坊さんが来てくれたから なんとなく仏壇の前で手を合わせていた報恩講。意味がわかるとちょっとありがたい気分になるのではないでしょうか?
お寺の報恩講にもぜひお参りください。檀家じゃないと参加しちゃダメ!というお寺はありません。西本願寺と東本願寺の宗派違いや他の宗派関係なく、誰でも参加してOKです。
参考になれば幸いです。