浄土真宗お供えの表書き黄白?黒白?使い分けに関する考察
水引の色の使い分けをどうしたらいいのか?
こちらが法事に参加する際、御供えの水引はどうしたらいいのか個人的な考察です。
まず法事の定義は年忌法要(年回法要)とし満中陰法要(四十九日法要)は黒白でよいと思います。
※実際私も黒白で御供えしました。
法事の際、お供え物や金封(現金を包む)の水引の色は東本願寺、西本願寺の本山が出している本にも「黒白または黄白を使います」
と書かれており明確な使い分けは書いてありません。それに続いて必ず書かれているワードが
地方によって慣習が異なる場合がありますので詳しくはお寺に相談下さい。
もちろんその通りです^_^;ただやはり何らかの基準は欲しいところです。そこでどのように判断したらいいのか勝手に考えてみました。
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最初に色々調べてみたところ、年忌法要の御供えの水引の色は浄土真宗、浄土真宗じゃないに関係なく中部より西側では黄白、関東より東側では黒白が多いようです。ということは関西の常識が関東では通用しないということもありえるということです。
まず他の宗派とは異なり浄土真宗の年忌法要は故人の冥福を祈ったり、追善供養の場ではありません。
浄土真宗の考え方では年忌法要は、故人の命日をご縁に無病息災で仏前に集まることができ、お念仏の教えを味わうことができることはよい仏縁であり喜ばしいとして、やや慶事寄りの考え方をします。
慶事寄りなので一見どこの地域でも黄白でも問題ないように思えますが下記のデータのように関東では人口が多い割に浄土真宗寺院の数が大変少ないです。
寺院が少ない=浄土真宗の門徒数も少ないと考えられます。それが関東では黒白の水引が主流なのと関係しているのではないでしょうか。
北海道 950
東 北 600
関 東 800
東 海 3200
関 西 5450
北信越 4450
中国四国 2900
九州沖縄 3000 地域別真宗10派お寺の数 (本願寺出版社)
他の宗派の影響も受け黄白ではなく、黒白の水引を使うようになったのではないかと考えられます。位牌を用いない浄土真宗で位牌のあるお仏壇が珍しくないのと同様の理由と同様です。他の家にもあるから我が家の仏壇にもないとダメだろうという感覚です。
※悪い事とは思いませんが
よく聞くエピソード
浄土真宗なのに葬儀屋が「中陰中は巻線香を絶やさないで」と言った
→親戚が来て「浄土真宗だからいらない」と言われて慌てて片付けた
→その後近所の人が来て「線香を絶やすなんて!」と言われまた元に戻した
→お寺様がみえて「お勤めする時だけでいいですよ」と言われてまた下げた
浄土真宗が少ない地域ではこういうこともあるそうです。近所の方は自分の宗派基準でアドバイスをしており、善意なのは間違いないのですが混乱のもとになっています。
水引の色こんな感じで使い分けては?
本願寺派では三回忌までは年忌法要に白の和ろうそく、それ以降は赤の和ろうそくを使うように、それに合わせて三回忌までは水引も黒白、それ以降は黄白と使い分けてもよいと思われます。
三回忌までは故人の死の悲しみから残された者たちが立ち上がるためのブリーフワークの期間であるという考え方もあるそうです。
ただし
うち家は浄土真宗だから!と世間との軋轢を生む必要はないので、そのあたりは臨機応変にお願いします。(とくに関東の方)
う~ん他の家は黒白みたいだし…
と迷ったり、思ったら迷わず黒白でお供えして下さい。
上記本願寺出版社や東本願寺出版社の本を色々読んでみて私の個人的な意見です。
参考になれば幸いです。
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