*

浄土真宗の写経について※般若心経ではありません

公開日: : 最終更新日:2021/08/21 浄土真宗, 雑学 ,

浄土真宗の写経について

まず最初に写経と聞いて思い浮かべるのは般若心経ではないでしょうか?写経=般若心経というイメージを持つ方も多いと思います。
あまりにも写経としてもメジャーなので、ご家庭でなぞり書きで手軽に写経ができるキットも販売されています。
般若心経を写経
写経の目的はお経を書き写すことにより、功徳を積んだり、納経といって書いたお経をお寺に納めることによって大願成就を祈ったりします。つまりなんらかのご利益を求めているわけですね。

そもそも浄土真宗では功徳を積むとかご利益があるという考え方もありませんし、般若心経をあげたりもしません。

般若心経をあげない理由は般若心経のおおまか意味が↓

舎利弗よ!この世は空である。肉体も精神も実体は何もない。
それを理解すれば老いも病気も死も苦にはならない。
それに早く気づいて彼岸に渡る智慧を完成させなさい。

といった感じなので、自力で気付こう悟りを開こう!ではなく南無阿弥陀仏と唱えて阿弥陀様にお救い頂こうという考え方の浄土真宗では般若心経は重視していないのです。

では浄土真宗では写経はしないのか?というと

そういうわけではありません。
浄土真宗のお経を書き写す便利な本も出ています。

▼正信偈のお手本をなぞり書きできる写経用紙

正信偈の写経用紙

▼書いて味わう正信偈

実際に文字を書き込むタイプの本、正信偈の現代語訳や用語解説が併記されているので書いて意味を理解して内容を味わうのに最適です。
浄土真宗の写経
このようにおなじみの正信偈を写経することができます。もちろん、写経したんだから先祖供養になった!とか阿弥陀様に願いが届いたかも!?とかそういう考え方は浄土真宗ではしませんのでご留意ください(笑)

※正信偈は正確に言うとお経ではなく浄土真宗のお念仏の教えや七高僧を讃えた偈文で漢詩に節がついた歌のようなものです。

▼書いて味わう阿弥陀経

お釈迦様が弟子の舎利弗にお浄土の美しい様子、そしてお浄土にはどうすれば生まれることができるかを語りかける内容。こちらは偈文ではなくお経です。用語や現代語訳付き
阿弥陀経の写経

正信偈や阿弥陀経が長いな…と思われる方は入門編として讃仏偈や重誓偈から写経されては如何でしょうか?どちらも短いお経(正確には偈文)です
浄土真宗お経

讃仏偈(さんぶつげ)
文字通り仏さまを讃える内容で浄土真宗のよりどころとする経典の一つ「仏説無量寿経」の中に含まれる四言八十句の偈文(うた)です。

重誓偈(じゅうせいげ)
阿弥陀さまはすべての人を救うため、四十八の本願をおこされました。そして心貧しく悩み苦しむ人々を救うことができなければ決して仏にはならないと重ねて誓われたという内容です。

上記を踏まえて浄土真宗のお経を写経する目的

・称えるだけでなく書くことで浄土真宗のお経の意味を深く味わえる
・筆で文字を書くため精神が集中しリラックス効果がある
・筆文字の練習になり字が上手になる
※すべてかもしれませんです

字がうまくなくても大丈夫

浄土真宗を開かれた親鸞聖人も阿弥陀経や無量寿経を写経されています。
さすがお上手!…と思いきや、なんだか独特の癖字です(笑)
阿弥陀経写経
(写経というより印刷技術が発達していない時代であったため、お経を書き写して普及に努めたという目的であったとも考えられます)

ちなみに写経で書き間違えたときの修正のルールはこちら
関連ページ:般若心経の写経中に文字を書き間違えた時の修正方法

繰り返しますが浄土真宗では先祖供養や功徳を積むという考え方はしませんので、そういった意味での写経は行いません。受験勉強の時に経験がありますが、ただ読むよりも声に出して読んだり自分の手で何度も書いた方が頭に内容が入ってきたのではないでしょうか?より深く浄土真宗の教えを味わうためにご活用下さい。

<スポンサーリンク>


関連記事

簡単水につけるだけ テガール液を使った仏具の磨き方

テガール液を使って簡単に仏具を磨く方法をご紹介します。 真鍮製品の仏具は空気に触れているとどうして

記事を読む

引き物供養の品

浄土真宗お供えの表書き黄白?黒白?使い分けに関する考察

水引の色の使い分けをどうしたらいいのか? こちらが法事に参加する際、御供えの水引はどうしたらいいの

記事を読む

喪中線香メッセージ

浄土真宗のお坊さんから頂いた満中陰法要(四十九日)のお礼状

満中陰法要(四十九日)の御礼状 浄土真宗のお寺様から御香典返しと一緒に、満中陰法要(四十九日法要)

記事を読む

お遍路さん

浄土真宗の札所巡りについての知識 四国遍路に行ってもいいの?

浄土真宗の巡礼について 浄土真宗に札所巡りはある? 巡礼や札所巡りと言えば四国八十八ヶ所のお遍路

記事を読む

お坊さんと神主さんの違い なるのが大変なのは?役割等の違いを比較

お坊さんと神主さんの違いについて 仏に仕える人と神に仕える人? 簡単に言うと確かにそうですが

記事を読む

浄土真宗悪人正機

浄土真宗の誤解されやすいワードについて 他力本願、悪人正機

暮らしの中でよく出てくる仏教語がありますが、本来の意味とは異なる意味で使われることも少なくありません

記事を読む

親鸞聖人

歎異抄の名場面 親鸞聖人!お念仏で本当に浄土へ行けるのですか?

歎異抄の名場面 歎異抄第二条より 親鸞聖人が東国を離れて年月が過ぎると、聖人がいないのをいい

記事を読む

戒名の値段相場について お布施の金額は?

戒名の値段(お布施の額)について 戒名の作りや値段相場を解説していきます。戒名の構成を見ていき

記事を読む

浄土真宗 枕経(臨終勤行)について 必要なものやっておくべきこと

浄土真宗の枕経(臨終勤行)とは 亡くなっていこうとする人がお仏壇の阿弥陀様に対して"人生の終わりに

記事を読む

お寺で結婚式

浄土真宗の仏前結婚式について 服装や用意していくものは?

仏前結婚式について 浄土真宗編 まず仏前結婚式とは 単純に神様の前で行う結婚式が神前式、仏様の前

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

仏教地鎮祭
大河ドラマ どうする家康 一向宗門徒が唱えていたお経と坊主が生臭なことについて

大河ドラマどうする家康 家康の人生で屈指のピンチ「三河の一向一揆」の

観音様ってどんな人?男女の性別は?

あの人は観音様のように慈悲深い人だ 若い人はあまり使わない言い回

浄土真宗の葬儀で読まれる 弔電の一例

浄土真宗の葬儀の際、読まれる弔電について 以前も紹介しましたが、

長年放置したおりんや真鍮製の仏具をきれいにする裏技(荒技)

おうちの仏壇にこんな仏具ありませんか? お盆や法事が近づくと気にはな

東本願寺の額装御本尊(スタンドタイプの阿弥陀様)

お仏壇を新調した際 御本尊は本山からお受けしてください。本願寺派(西

→もっと見る

PAGE TOP ↑