浄土真宗の御文章には何が書いてあるのか?
浄土真宗のお仏壇の脇などに置いてあるこの箱の中の本 何かわかりますか?お経の本でしょうか?
トウリュウノ アンジンノオモムキヲ クハシク~…
読んでみても旧仮名遣いだし、カタカナと漢字が混じっていてなんて書いてあるかよくわかりませんね…
この本は本願寺派では御文章(ごぶんしょう)、大谷派では御文(おふみ)といいます。
御文章の内容とは?
御文章とは浄土真宗 第8代宗主である蓮如上人が離れた各地にいる門徒に宛てて書いた手紙です。
元々二百数十通あったものを八十篇にまとめたもので、浄土真宗の教えをわかりやすく伝えたり、一部日記のようになっています。
ちなみに全国の門徒に送っただけあって、わりと似たようなことが書かれていたりもします。
よく出るワード(要約)
〇南無阿弥陀仏とお念仏しなさい
〇信心が決定(けつじょう)したならば浄土へ往生することは疑いありません
難しい解説は省いてちょっと変わったところだけ抜き出して現代語訳で紹介します。
吉崎建立章
男女多くの人々が吉崎御坊を参詣に訪れるようになりましたが、今年から参詣しても変わらない 志のない方の出入りを止めることにしました。
(中略)
人間に生まれて遭い難い仏法に遭いながらその甲斐なく、地獄に落ちることは誠に残念です。
※吉崎御坊…蓮如上人が越前(福井県)に建てた聞法の拠点
出禁を食らった人は地獄行きなんでしょうか^_^;
雪中章
浄土への往生が決定(けつじょう)したうれしさから 師匠坊主の寺へ懇志を納めるべきです。このように心得る人を浄土真宗の義を心得た信心の人というのです。
なんとお布施の催促!?
数珠章
数珠を持って参詣する人がいません。これは仏さまの心を手づかみにするような行為です。
(中略)
しかしながら数珠を持たずにお参りするからといって、往生の障碍になるわけではありません。
厳しいご指摘…と思ったら やはり大事なのは信心?
毎月両度章
寄合いが近年 飲み食いするだけで解散してしまいこれでは意味がありません。
寄り合いというのは定例法座のようなもの毎月両度(二度)の寄合いは信心を獲得することが目的ですとあります。
やはり人が集まるとどうしてもこうなりますよね?^_^;
信心獲得章
(煩悩を断ぜずして涅槃を得る)この教えは浄土真宗独自の教えなので、他の宗派の人に対して安易に説いては誤解を招きますから、よく心得るべきです。
歎異抄でも曲解する人が多いので嘆いてますよね。昔から誤解する人は多いのでしょう
大坂建立章
今年の夏ごろより体調を崩し、いまだに回復の兆しがありません。今年の寒中には往生をとげるであろうと考えています。
この時蓮如上人なんと84歳。当時としては大変な長寿です。
御命日の章
今日は親鸞聖人の御命日ですから 今日参詣する人は報恩の気持ちを持たない人は少ないでしょう。
(中略)
家にいて報恩のお勤めもしない人が嫌々でも参詣するのはそれはそれでありがたいことでしょう
嫌々でも報恩講のお参りに行きなさい!嫌々行く人なんているんでしょうか(笑)
横截五悪趣章
灯の下において老眼を拭いながら筆を染めました
テーブルにライトも老眼鏡もないので大変ですね^_^;
近況報告あり愚痴あり厳しい言葉ありの御文章 法事の際には一節を僧侶が読み上げ、それを引用して法話をいただく場合があります。
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浄土真宗本願寺派の法事 事前準備用意するもの お布施の相場など
自宅でお勤めする浄土真宗(西本願寺)の法事 法事とは一般的に年忌法要(年回法要)のことを指しますが、本来 永代経法要や報恩講、月参りなど仏事全般が法事です。法事=年忌法要となっているのはおうちでお勤め ...
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経本で読むとわかりやすいです
本来は毎日のお勤めで今日はどの文を読むかというのが決まっているのですが、カタカナと旧仮名遣いが読みづらく省略してしまう人も多いと思います。そんなときは本願寺派も大谷派も経本の中に、感じとひらがなで一部載っている場合が多いので、まずはそこから読んでみては如何でしょうか?
参考になれば幸いです。