*

浄土真宗のお正月の迎え方について仏壇の飾り方 喪中の場合は?

公開日: : 最終更新日:2018/01/01 仏事, 東本願寺, 浄土真宗, 西本願寺 ,

浄土真宗のご家庭のお正月の過ごし方迎え方についてです。お仏壇の中に何か特別なものを用意する必要があるのでしょうか?また喪中の場合の過ごし方も解説したいと思います。

まずはお正月を迎える前にお仏壇の掃除を

まずは新年を迎える前にお仏壇の中を掃除しましょう。一度仏具を中から取り出してお仏壇の中の埃を落とし、真鍮製の仏具を磨いてからお正月用の飾りにしましょう。この機会に本来不要なもの(お札、観光土産で頂いた他宗派の仏様)等も片づけましょう。

お正月のお仏壇の飾り方

浄土真宗正月の仏壇の飾り方
基本的に法事(年忌法要)に準じた飾り方でよろしいですが、お餅をお供えし花立には松一式か松と一緒にお花を生けましょう。打敷(三角の布)は冬用を掛けます。
仏壇飾り方お餅の場所

お餅を飾る場所

お仏壇にお餅をお供えする
お餅は本来、供笥(くげ)に盛るのが正式ですが、厳格な場所は決まっていないようです。高杯(たかつき)に盛ってもよろしいですし、お皿にのせてお仏壇の前方にのせてもよろしいでしょう。
※本山や別院では3日間お正月用の荘厳がなされます。それにならい1月4日の朝に元の飾り方に戻しましょう

お寺のお正月の飾り方▼

お寺のお正月飾り
東海地方の某お寺のお正月の飾り方。東本願寺のお寺です。三具足の間にお餅がお供えされています。花瓶には松と千両などでお花を仕立て、豪華な打敷がかかっています。

元旦の朝は家族揃っておつとめをしましょう

朝家族そろってご本尊にお参りし新年のご挨拶をしましょう。こちらもひとつの初詣といったところでしょうか。一年の計は元旦にあり、この日は家族全員で正信偈をおつとめしましょう。

初詣はどうしたらいい?

浄土真宗の初詣
初詣はついつい神社に行ってしまいがちですが、やはりお手次のお寺(菩提寺)や各地の別院、本山のご本尊にお参りしましょう。お寺では修正会(しゅしょうえ)または元旦会(がんたんえ)という新年の法要が行われますので、是非ご参加ください。

修正会(元旦会)は元日を祝うと共に阿弥陀様の慈悲の元、新年の第一歩を歩み出す行事です。あらためてお念仏の教えを聴き決意を新たにする機会として下さい。

浄土真宗のお寺は「宝くじが当たりますように!」とか「就職できますように!」といった祈願をする場所ではないので注意が必要です。
※他の宗派のお寺と違って厄除け、商売繁盛などの各種祈願やおみくじ、ご朱印もありません。
<スポンサーリンク>



代わりに新年という節目を機会に何か今年の誓いを立ててみてはいかがでしょうか?「一日一回はお本尊の前でお念仏します」「お仏壇を埃だらけにしません」等

神社に行くのはダメではないですし、怒られもしませんが「初詣は神社に行ってもいいけど阿弥陀様に手を合わせれば充分では?」というスタンスのようです。

他の宗派のお寺ではなんてとなえたらいい?

他のお寺でお念仏
浄土真宗や浄土宗のお寺ならご本尊は阿弥陀様なのでもちろんとなえるのはお念仏「南無阿弥陀仏」ですが、他の宗派のお寺に参拝する場合はどうしたらいいでしょう?ちなみに関東で初詣ランキングに入っているお寺のご本尊は

目黒不動尊瀧泉寺(不動明王)
西新井大師(十一面観世音菩薩)
浅草浅草寺(聖観世音菩薩)
柴又帝釈天題経寺(帝釈天)
深大寺(釈迦如来)

結論から言うと普段どおり「南無阿弥陀仏」で結構です。親鸞聖人も浄土和讃の中にこのように記しています。

南無阿弥陀仏をとなうれば 十方無量の諸仏は
百重千重囲繞してよろこびまもりたもうなり
(浄土和讃)

意味:南無阿弥陀仏と唱えれば数限りない仏様たちが百重にも千重にも取り囲んでよろこび護ってくださいます

諸仏が護って下さるので南無阿弥陀仏と唱えて大丈夫です。誰にも怒られません(笑)

しめ縄や門松などの飾りは?

浄土真宗門松としめ縄
しめ縄は不浄なものの侵入を防ぐための結界のようなもの。門松は年神様に下りてきていただく時の目印という目的がそれぞれあります。神事なので浄土真宗どころか仏教とは関係のない習慣です。

こちらも初詣と同様に「お正月らしさを出す目的にやってもいいけど必要ないのでは?」くらいのスタンスです。うちもお寺様にしめ縄を飾ってあるのを何度も目撃されましたが、何か言われたことは一度もありません(笑)
さすがにお寺にはありませんでしたが…

ちなみに喪中の場合は

喪中のお正月
浄土真宗には喪中という概念がないので普段どおりに過ごしてもらってまったく問題ありません。ただ家族を亡くして初めて迎えるお正月は心静かに迎えるのもいいと思われます。新年のあいさつ回りは控えたり、年賀状は出さずに松の内が明けるのを待ってから寒中見舞いとして近況報告などをすることもあります。

浄土真宗らしいお正月を紹介しましたが、地域によって色々な風習があると思いますので詳しくはお寺様にご相談下さい。
参考になれば幸いです。

関連記事

真宗大谷派(東本願寺)の法事 事前に準備するものあれこれ お布施の相場も

法事とは一般的に年忌法要のことを言います。 会館やお寺の本堂をお借りすることも多いですが自宅でお勤

記事を読む

往生とは

法事の謎 一周忌の次はなぜ三回忌なのか?

法事の疑問 一周忌の次がなぜ三回忌なのか? 来週は祖父の三回忌か 祖父が亡くなってもう三年も

記事を読む

セリアの仏具

100均で買える仏具 セリア編

100均で買える仏具 セリア編 法事やお盆に必要になる仏具。仏壇仏具店で購入するのが一般的ですが、

記事を読む

浄土真宗ご飯のお供えについて 意味やお供えする時間は?

多くの宗派で仏前にご飯をお供えしますが、浄土真宗では少し意味合いが違ってきます。呼び方もお仏飯(おぶ

記事を読む

ご冥福を祈る

ご冥福をお祈りします。使っていい?わるい?浄土真宗的解釈

ご冥福をお祈りいたします なんだか誰かが亡くなったときの決まり文句のような印象を受けますが、実は浄

記事を読む

中陰法要

法事法要のお参りに誰を呼ぶか?初七日から年忌法要まで

法事の用意をするのはなかなか大変です。お寺と日程の調整をして、会食をする会場の手配をして、返礼品を用

記事を読む

浄土真宗の永代経について 意味や聞きづらいお布施の相場など

永代経という言葉がありますが 一体どういう意味でしょう? 永代経という名前のお経でしょう

記事を読む

報恩講とはどういうお参りか?お布施の金額や封筒の表書きは?

浄土真宗で最も大事な法要 報恩講とは? 年末が近づいてくると各お寺や浄土真宗門徒の家庭でもお勤

記事を読む

東本願寺の額装御本尊(スタンドタイプの阿弥陀様)

お仏壇を新調した際 御本尊は本山からお受けしてください。本願寺派(西)、大谷派(東)問わず浄土真宗

記事を読む

お盆の御膳(霊供膳)を簡単に作る方法 並べ方意味など

お盆や法事で用意するお膳(霊供膳)料理を用意するのや配置するのは難しそうですよね。今回はこの商品を使

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

仏教地鎮祭
大河ドラマ どうする家康 一向宗門徒が唱えていたお経と坊主が生臭なことについて

大河ドラマどうする家康 家康の人生で屈指のピンチ「三河の一向一揆」の

観音様ってどんな人?男女の性別は?

あの人は観音様のように慈悲深い人だ 若い人はあまり使わない言い回

浄土真宗の葬儀で読まれる 弔電の一例

浄土真宗の葬儀の際、読まれる弔電について 以前も紹介しましたが、

長年放置したおりんや真鍮製の仏具をきれいにする裏技(荒技)

おうちの仏壇にこんな仏具ありませんか? お盆や法事が近づくと気にはな

東本願寺の額装御本尊(スタンドタイプの阿弥陀様)

お仏壇を新調した際 御本尊は本山からお受けしてください。本願寺派(西

→もっと見る

PAGE TOP ↑