大河ドラマどうする家康
家康の人生で屈指のピンチ「三河の一向一揆」の話が先日(2023年2月19日)放送されました。
その中で不思議な音程のお経が流れました。気になった方もいらっしゃるのではないでしょうか?
登場したお経やアイテム、さらに坊さんが微妙に生臭なことについても解説していきます。
ドラマなのでかなり演出も入っているのは承知で解説します笑
一向宗門徒が唱えていたお経とは?
一向宗とは今でいう浄土真宗の事。東本願寺や西本願寺と言った方がなじみが深いかもしれません。
ただ当時は東西本願寺には分かれてはいませんでした。
肝心のお経はというと正信偈(しょうしんげ)というお経です。
※正確に言うとお経ではなく偈文といって浄土真宗の教えに音程をつけた歌のようなもの。
ドラマの正信偈をよく聞くと現在の大谷派(東本願寺)のよみと音程で唱えられていました。
帰命無量寿如来(きみょうむりょうじゅにょらい)
南無不可思議光(なむふかしぎこう)
法蔵菩薩因位時(ほうぞうぼさいんにじ)
(きみょうむりょうじゅにょらい)
(なもふかしぎこう)
(ほうぞうぼさついんにじ)と西本願寺ではよみます。
全体の意味としてはお念仏の教え(浄土真宗の教義)と七人の高僧をたたえる内容です。
登場した仏像は何?
あの仏像は「阿弥陀如来」阿弥陀様という呼び方の方がなじみがあるかもしれません。
こちらも現在でいうところの東本願寺の阿弥陀様が登場しました。
西本願寺と東本願寺の阿弥陀様を比べてみると、後光(爪楊枝みたいな細い木)の下にさらに舟の様な飾りがついているのが西本願寺、ないのが東本願寺の阿弥陀様です。
通常は本堂(屋内)に安置されているはずですが演出なので仕方ありません。外に出張していましたね笑
阿弥陀様は「私の名を呼ぶもの(念仏するもの)をすべて救うぞ」と誓いを立てられた仏様です。
男1「私は戦場で女子供を殺めました」(殺生)
男2「私は盗みをはたらきました」(偸盗)
女「私は夫以外の人と交わりました」(邪淫)
上記の罪、仏教的にはすべて地獄行です。
もう少しくわしく
みんな地獄行!超厳しい地獄行の条件とは
ですが一向宗(浄土真宗)ならすべてOK!阿弥陀様の救いの対象です。
だから人が集まるわけですね。
ちなみに家康のうちの宗派は?
一向宗はよい教えだと聞いて興味を持った瀬名(奥さん)を家康が引き留めます。
家康「お参りなら大樹寺へ行けばよいではないか」
大樹寺は徳川家の三河での菩提寺で浄土宗のお寺です。
浄土宗も同じ「南無阿弥陀仏」と唱えて阿弥陀様にお救い頂きましょうという教義の宗派ですが、ちょっと違います。
くわしくは
浄土宗と浄土真宗の違いについて
出てきた坊さんちょっと生臭じゃない?
本證寺の住職である空誓上人 浄土真宗の有名人蓮如上人のひ孫です。
家康を案内してきた千代(踊り子)に対して言ったセリフ
空誓「千代 後でな(エロそうな表情で)」
なにやら後でお楽しみがあるような意味深なセリフでしたが笑
問題:
坊さんが女性とセックスする(女犯)していいのか!クソ坊主!
答え:
浄土真宗の場合問題ありません。
浄土真宗は肉食妻帯まったく問題なし
坊さん自体が特別な存在ではなく、集まった民衆(煩悩にまみれて善行の一つも行えない凡夫)と同じで阿弥陀様に救われる側の存在だからです。
だって煩悩克服できないもの。だから阿弥陀様に救ってもらうもんというノリ(だったかどうかはわかりませんが)
よく考えてみてください。「浄土真宗の有名人蓮如上人のひ孫」ということは蓮如上人はセックスして子孫を残しているということです。
しかも確認できる限り27人も子供がいたとか(^^;
自分の子孫がいないと養子を迎える意外 寺の法灯を引きづけません。まあ仕方のないことでしょう。人間だもの。
千代が門徒に叫んだスローガンについて
千代(踊り子)「進まば往生極楽、退かば無間地獄よ!」
「進者往生極楽 退者無間地獄」一向一揆を象徴するようなスローガン。軍紀にも書かれていますが、本来一向宗(浄土真宗)の教義的には地獄に堕ちるようなことはありえません。
士気を高めるために言ったのか、それとも戦いに参加しないものは地獄に堕ちるぞという脅しで使われたのではないでしょうか?
どうする家康 今後はどうなるのか?
ドラマは本を読みながら見てたので細かいところが正確ではない場面があるかもしれません(^^;
結局家康は一向宗から年貢を取り立てようとして彼らの怒りに火を注いでしまいます。
先日の瀬名奪還作戦で大活躍した本多正信も一向宗側に加わったという記録もあります。
久しぶりに大河ドラマを見ましたがちょっと目が離せない展開になってきております!