浄土宗のお坊さんになりたい
浄土宗の教師資格を取得する為の流れ一例です。
お坊さんになる為の資格は?
浄土宗では得度は六歳以上、住職資格は二十歳以上という規定があり
僧侶は宗徒、助教師、教師の三つに分類されています。
※教師というのは先生のことではなく住職になる資格のことをいいます。
得度してお坊さんになる=住職となってお寺を継ぐことができるというわけではありません。
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一般在家から教師になる為には
まずは師僧となってもらえる僧侶とご縁を持つ必要があります。師僧により得度し僧侶としての名前を受けます。得度式を受け度牒(得度証明書)をもらい、宗派の台帳に師僧を通じて僧名が登録されます。
宗門の台帳に登録されればお坊さんになる前段階となります。(浄土宗出家=お坊さんになったではありません)この時点で宗徒という位置づけになります。
※五重伝相という寺院で信者に対して行われる養成講座や加行の短期版のようなものがあり、ここで師僧とご縁を持ち得度をする方もいるそうです。
助教師になるには三週間の助教師養成講座を修了し、七日間の別開五重伝相を受ける必要があります。助教師はお寺の住職補助をするような資格で、檀家さんの家で法事をしたりすることはありますが、住職になることはできません。
教師になるには佛教大学や大正大学で所定の単位を取得したり教師養成道場や少僧都養成講座を受講するか教師検定試験に合格した後「伝宗伝戒」という三週間の加行を受けてやりとげなければなりません。
「伝宗伝戒」の加行に入るまでには2~3年かかります。教師養成講座も三週間で講義がほとんどですが、朝の五時からお勤めをするなど加行的要素もあり健康上の理由で脱落する人もいるそうです。しかし下記の伝相伝戒に比べれば楽といえるでしょう。
各種の養成講座は夏休みが利用できる夏場に集中しています。教師養成講座の一つ律師養成講座は知恩院や増上寺だけでなく、他のお寺でも受けることができます。
教師になるために行われる修行 伝相伝戒
浄土宗では人間は煩悩を取り払うことはできないので、無理な苦行などはせず、あるがままの姿で称名念仏しなさい。しかしそれは毎日続けなさいという考え方なので座禅や水行のような修行はありませんが、教師検定試験に合格した人あるいは合格見込みの人が最終的に行う「伝相伝戒」では三週間の大変厳しい修行があります。
伝相伝戒の期間
年に一回12月に、京都の知恩院と東京の増上寺で行われます。朝は暗いうちに起きて、読経をしたり掃除をしたり、念仏を唱えたり、一日の最後のお勤めが終わるのが夜の九時です。
滝に打たれる等の苦行はありませんが、五体投地の礼拝をお勤めの度に繰り返し1日で300回から500回という数にのぼります。食事は一日三回ありますが、質素で夕食はごく簡単なものなため大変お腹が空くそうです。寒い期間なので体力を奪われて脱落する人もあるということです。
伝相伝戒修了後晴れて教師に
師僧が宗務総長に申請して教師資格を取得します。他の宗派でも共通するのが教師なってはじめて僧階の位が得られるというところです。
律師、少僧都、僧都、大僧都、僧正、正僧正の六段階となっています。
長い時間と修行を経てこれで一人前の僧侶となります。
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