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新しいお寺を作ることはできるのか?布教所を建てた若いお坊さんの話

新しいお寺を作りたい?お寺の新規出店そんなことできるの?

人口減少や仏事の簡略化によって、お寺は収入が減ったり、お坊さんは兼業、最悪廃業、住職不在のお寺が増えているといいます。
バブルのころのように景気のいい話は少なくなってきているようです。

お寺は減る一方なのか?

実はそうでもありません。減るスピードの方が速いのは確かなようですが、増えるということも起きています。以下私の身の回りに起きた話です。
※特定を防ぐためにぼかしている部分もあります。

お坊さんは営業活動をしない?

一般的なお寺の収入源といえば檀家さんから葬儀や法事で受け取る御布施でしょうか。

昔は本家のから分家してと言った具合に世帯が増えていき、家を建てるたびに親が仏壇を買ってあげたといいます。(亡くなった人はいなくても、ご先祖がいない人はいません。感謝する場所として)

今はそれも減り、家でお参りする人口は減少する一方です。

では、顧客(檀家)獲得のために広告でも打つか!といっても狭い地域内でお寺同士の衝突の原因となってしまいますので難しい点もあります。

お寺は固定された檀家だけでやりくりしないといけないか?

実はそうでもありません

きっかけは一本の電話でした。

お坊さんからの営業電話

「こちらの方で布教所を開くことになりましたので、葬儀や法事があったらお声かけください。○○宗です。開眼供養(入仏法要)や性抜きだけの付き合いでもかまいません」

お寺の方から営業をかけてくることは珍しいですが、「何かありましたら連絡しますね」とだけこたえて受話器をおきました。

電話での印象は良くもなく悪くもなく「この辺りではレアな宗派だし、まあお互い都合よく利用し合えたらな」程度でした。

お坊さんが店舗に挨拶に来た

電話を受けて1週間ほど。電話だけだったのでその方の存在も薄れかけてきた頃、突然店頭に現れた"坊主頭にフォーマルな装いの人物"

「作務衣で来た方が坊さんらしいけど、作務衣は基本的に作業着だから失礼かな~」と思ってだそう。
※坊主頭でいかつい感じだったらやく○に見えたかもしれません。

名刺を手渡されて住所を確認したところ、お寺の所在地は店舗から車で20分くらいの新興の住宅地。

新しいお寺を建てた理由は「弱小寺の次男って厄介者なんで養子に出されそうになったんですよ!ゴネたら、強制的に独立させられましたよ」

「本当は沖縄も候補に挙がってたんですよ。仏教文化よりもノロやユタ(沖縄独自の祈祷師?)の文化が強いですから 逆に他宗派と競争少ないかもと思って」

とどこまでネタなのかはわかりませんでしたが。

店内を見回しながら「○○宗ってこの辺少ないですよね。でもそこに目を付けたんですけどね」そんな感じの話をして、また存在は忘却の彼方へ

普通の住宅の中に本堂

いつものようにお仏壇を納品をした帰り。「そういやあの若い坊さんの寺ってこの住宅地の中にあるんだよな」と思っていたら何のご縁か普通の家の前で以前見かけた坊主頭を発見。

むこうもこちらを見て、ああ!という反応。
「お久しぶりです。こちらのお宅で法事ですか?」とお聞きすると
「ここが私のお寺です」という返答

どこからどうみても普通のお家。お寺と一般の住宅を見分けるには表札の「○○院 別院」を見逃さないこと。

「ちょっと上がってきます?」仕事中だけど好奇心には勝てずに本堂?でお参りさせていただくことに。

普通の家の中にお寺のご本尊が

ごく普通の玄関から入り、ごく普通の板張りの廊下を通り、本堂(一般的にはリビングという)へ案内していただきました。

ホームセンターで購入したという木材でうまく祭壇が作ってあり、そこには立派な仏具が安置されていました。

リビングに家具調仏壇(モダンなデザインの仏壇)をおさめることは多いですが、洋風のリビングと伝統的仏教用仏具の和洋折衷感(違和感ともいう)。

軽く混乱してきそうでした。和室がないから仕方がないとのこと。

「仏具は実家から使わないものをもらったり、メルカリで買いました」

本人が言うには「普通のお寺でも入りにくいのに、普通の一軒家にしたらもっと入りにくい」という意見をもらったそうです。

確かにそうでした、山門をくぐって本堂で手を合わせるより、インターホン押して「お参りしたいんですが~」とは言いづらいです。

彼がお寺に来てもらうためにやったこと

店もお寺も待っているだけではお客は来ません。彼なりに工夫したということを何点か。

新しいお寺の営業活動お坊さんの格好で町を歩く

コミュニケーションの第一歩は挨拶からといったところでしょうか。人に会ったらちょっと立ち止まり「こちらでお寺をはじめました」と会話をする。

やはり中にどんな人がいるのか可視化するだけで、一気に距離が縮まります。

さらに彼は若々しくてなかなかの美坊主な上に、人と会ったことや以前話したことをよく覚えていてコミュ力が高い。

お坊さんはお寺の中にいて厳しい修行をしていて気難しいイメージ(間違ったイメージ)を払しょくすることができます。

新しいお寺の営業活動お寺のチラシをポストインをする

「お寺はじめました」って冷やし中華じゃないんだからw
葬儀や各種法事だけではなく、ご祈祷も承ります!というチラシまきをしたそうです。

ここは山を削った新興の住宅街というわけで、実家から離れて暮らしているファミリー層が多い地域。
入居者は増えているが特定のお寺との付き合いはない人が多いだろうという目論見でポストインをして歩いたそうです。

周辺の地域ではちょっとマイナーな宗派でバッティングが少ないのもリサーチ済み。
あわよくば実家の宗派から宗旨替えしてもらえればしめたもの。
「新しいお家はたくさん見たけれど新しいお寺はうちだけです!」
(そりゃそうだ)

観光寺ならともかく、宣伝やポストインなんて既存のお寺で昔からの檀家さんがいた場合できるわけがありません。
A寺からB寺へ檀家変わろうかな?なんて普通はしません。(いちおうできますよ。それはまた後日)
新しいお寺の強味だと思います。

新しいお寺の営業活動各種葬儀仏事関係業者に営業活動をする

仏壇屋に電話をかけてきたのは先述しましたが、なんと葬儀屋にも電話+挨拶回りに行ったそうで、怪訝な顔をされたこともあれば、興味を持ってもらえたこともあったそうです。

僧籍持ってて葬儀をする資格さえあれば意外と仕事はまわしてもらえるでしょう。葬儀~四十九日法要までで檀家付き合いはしたくないという方にも需要はあるはずです。

新しいお寺の営業活動SNSを使って宣伝する

お寺なのに外で営業活動だけしていてはいけません。曰く「誰にでも足を運んでもらえる場所にしたい」とのこと。

「学業、金運、恋愛などの御祈祷も承ります」と若い人にも興味を持ってもらえるようにSNSでも宣伝したそうです。

集まってもらっているうちに うちの宗派に改宗してもらえればしめたもの。

誰かを蹴落とす、欲望を満たすってお釈迦様の教えとは真逆なんですがね…という文句は言いません(笑)

仏壇屋もお寺もお客さんがいないと成り立ちませんからね。霞を食って生きていくにも限界があります。

ベテランのお坊さんにはないフットワーク。若さゆえの恐れ知らずとも言えるのでしょうか?

いえいえ 私は応援していますよ。(お坊さんの御祈祷とか占いは信じてませんが)

新しいお寺の営業活動キリスト教の教会へ行ってみた

お寺初心者の不安な気持ちを体験するためにキリスト教の教会へ行ってきたそうです。

私は仏事関係者なのでお寺に入ることには慣れていますし、どのように振る舞えばよいのかもわかっています。(入ってはいけない場所や作法他)

しかしお寺初心者にはどうしたらいいのかわからないという最初関門があります。

それを自ら体験してくることで宗教者からどのような対応をとられればニューカマーは安心できるのか?学びに行ったとのこと。

他の宗派のお寺に行ったらよかったのでは?と聞くと「坊主頭だから同業者とバレるんでw」だとか。

坊主頭で教会へ入る度胸があれば平気なような気がしましたが、結果は「なかなか心地よいアウェイ感と学びがありました」だったようです。

新しいお寺を作るに当たりちょっと気になったこと

若い彼のことは応援してますがちょっと気になったこと

宗派は許可しているのか?

浄土真宗のように本山が強い宗派は末寺は毎年上納金を納めています。暖簾分けってやはり○○宗の本山に許可がいるんじゃないでしょうか?次男だから厄介払いされた(笑)だそうですが、気になるところです。

宗教法人的にどうなのか?

宗教法人法では自前の礼拝施設があって、活動実態がないといけません。持家なら問題ないですが、借家だとしたらOKなの?という疑問

彼の目標は「近隣にもう少しお寺らしい本堂を建てるの」

きっと実家がお金持ちなのでしょう。

まあ私が彼に詮索することではありません。頑張っている若者に無粋な文句をつけるのは老害ですからね。

お坊さんがこんな商売っ気のある行動を取って周囲はどう思ったか?

「くそ坊主め!という声も浴びせられましたよ」と彼は笑いますが、彼の人柄もあってか好意的な声も多かったようです。私も熱心だなぁ~と思いました。

若い彼の活躍を祈るばかりです。仏壇に手を合わせるという文化も守ってくださいね!本堂早く建つといいですね。

今回はただの日記でした。

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