浄土真宗のお盆を迎える用意 何を用意しよう?
一般的なお盆とはご先祖様を追善供養するという考え方に基づいています。ところが浄土真宗では亡くなった方を供養するという概念がないためお盆の意味合いが他の宗派と異なります。お盆の由来などから考えていきたいと思います。
浄土真宗のお盆その前にお盆と聞いて何をイメージしますか?
あの世から帰ってくるご先祖を供養する
お盆のイメージと言えばこれ。こちらから追善供養することでよい世界に生まれ変わってくださいね。
盆棚、精霊棚のような祭壇を作る
ご先祖様が返ってきた時にもてなすための御供えが必要ですよね。お膳も3食精進料理をお供えしましょう。
送り火迎え火をする
これを目印にご先祖様が返ってくるそうなので、重要ですよね。玄関で炊いたりお墓で炊いたり。火には気を付けてくださいね。
ナスやキュウリで作った牛馬を飾る
そうそう。定番のアイテム馬に乗って早く帰ってきて、帰りは牛でゆっくり帰ってもらうためですよね。
もう帰ってるんだからゆっくり牛って意味ないじゃんって言わないでね。
精霊流しをする
うん、うん お盆の風物詩ですよね。各地で行われています。
こんな感じでしょうか?
浄土真宗のお盆の前にまずお盆の由来から考えていきましょう
以下「盂蘭盆経」というお経の中に表されています。
お釈迦様の弟子の中に神通力を持つと言う目連尊者という僧侶がおりました。
ある日、目連尊者は亡くなった母親に会うために天上界へ行きました。
母親は亡くなった後、そこで安らかに暮らしていると思ったからです。
しかし一向に見当たりません。
まさかとは思うが地獄の方も見てみよう。目連尊者が地獄の方も覗いてみると、なんと母親は餓鬼道へ落ちてしまっていたのです。
※餓鬼道:常に飢えと渇きに苦しむ亡者の世界
目連尊者の母親が極悪人だったわけではなく、彼女は我が息子目連を思うあまり、その他の人や物をないがしろにし、貪りの心が捨てきれなかったから地獄へ落ちたわけです。
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目連は餓鬼道へ落ちた母親をどうしたら救えますか?母親のため自分にできることはないのですか?と お釈迦様に相談します。
するとお釈迦様は「7月15日の自恣の日(僧侶が修行を終えた日)に修行僧にもてなしをしなさい。そうすれば母親は救われるであろう」と教えてくれます。
※「生前に母親が出来なかったことを代わりにあなたがやりなさい」という一種の追善供養ということですね。
目連はお釈迦様に言われたとおり、多くの僧侶をもてなし盛大に法会(ほうえ)が営まれました。
やがてその功徳により目連の母親は餓鬼道から救われたということです。
この時の盛大な法会がお盆の由来となり、目連が母が救われたことに我を忘れて踊りあがって喜んだことが盆踊りのはじまりになったとも言われます。
めでたしめでたし。
あれ?
ご先祖様が帰ってくるとか先祖供養の話は?
お盆の由来について説明しましたが、なぜ現在このような形になったのでしょうか?
日本では古来から死者の霊がこの世に戻ってくると信じられてきた時期が7月半ばの盂蘭盆会の時期と重なり、亡き人の霊を供養する行事として定着したようです。本来のお盆と意味合いが異なります。
なるほど、でもご先祖を敬う気持ちや行事は無意味ではないですよね。
じつは浄土真宗のお盆には亡くなった方の慰霊という意味合いはありません。
お念仏の教えに生きた浄土真宗の門徒であるご先祖は阿弥陀如来に救われてお浄土に生まれていますので、こちらから供養する必要はないのです。
浄土真宗流のお盆について
長くなってしまったので次回へ続きます
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