浄土真宗のお盆に用意するものについて続きです
他の宗派と違って独特な考え方の浄土真宗のお盆。
浄土真宗のお盆は先祖供養の日でも慰霊の儀式でもありませんということでした。
浄土真宗には死者が迷うとか苦しむとか祟るそういう考え方がないので、追善供養を目的とした送り火、迎え火、盆棚等は必要ありません。
浄土真宗のお盆はどういう日なのか?
浄土真宗ではお盆のことを「歓喜会(かんぎえ)」とも言います。
亡くなられた方をご縁に頂いた命の尊さを再確認し、人として生まれお念仏の教えに出会うことができたことをあらためて喜び感謝する機会とし、先祖を追善供養するというよりも先祖に感謝する日と位置づけられています。
浄土真宗のお盆何を用意する?お仏壇の飾り方とかは?
結論から言うといつも通りで特別に用意するものはありません。
※祭壇を作ったり、送り火迎え火をしたり、きゅうりやナスの牛馬を作ったりする必要はありません。
普通に過ごしてもいいのですが、お寺さんを呼ぶならお仏壇は普段の法事(年忌法要)と同じような飾り方をします。
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浄土真宗お盆の仏壇の飾り方
東本願寺、西本願寺共通のお盆用のお仏壇の飾り方です。
夏用の打敷を掛けます
打敷とは三角の布です。卓(花立や蝋燭立ての載っている台)の本体と上板の間に挟みこみます。お盆は7月か8月の夏の時期なので夏用の打敷を掛けます。
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浄土真宗の打敷の掛け方 飾り方と由来
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お餅を用意する
法事(年忌法要)でもそうですが、浄土真宗では「餅」「菓子」「果物」の順に優先順位が高いお供えとなります。
※本願寺出版、東本願寺出版の仏事関連書籍より
お盆も丸餅を用意しましょう。米粉で出来た落雁で代用する地域もあるようです。
写真は供笥(くげ)というお餅専用の御供え台ですが、お仏壇の中にない場合は高坏やお皿で代用してください。
お仏壇の同じ壇に左右一対飾るのが一般的です。
法要の際に必要な和ろうそく
和ろうそくを用意しますが、ろうそくの色はお寺様によっても意見が分かれます。
「四十九日が過ぎているので赤」「初盆は特別なので白」お寺様から指定があればその色の和ろうそくを用意しましょう。
どちらの色を用意するにしても浄土真宗ではイカリ型という先が太い和蝋燭が望ましいそうです。
御仏飯、仏花、青木(ビシャガキ、しきみ等)
こちらもまた普段通り御仏飯(ごはん)、仏花、華瓶(けびょう)に青木を一対用意しましょう。
仏花はわざわざ花屋さんで買ってこなくても、毒のある花と棘のある花以外は何を供えてもかまいません。
華瓶(けびょう)差す青木は小さいお仏壇の場合、省略されることもあります。華瓶がないからと言って代わりに湯呑などでお水をお供えする必要はありません。
他の宗派の家から嫁いできたお嫁さんは浄土真宗のお盆があまりにもあっさりしているので驚くことも多いそうです。
浄土真宗のお盆提灯について
親戚縁者から初盆の御供えとして盆提灯を送ることも一般的で、盆提灯は出す地域は多いようですが、亡くなった方がそれを目印に帰って来るという意味合いではなくあくまで灯篭の一つとして飾りましょう。
送って下さった方の気持ちをありがたく受け取ることも大切だと思います。もちろん飾らなくても問題はありませんがお盆の雰囲気が出したければ(笑)
※東本願寺の真宗本廟では切子灯篭という七夕の飾りのようなものが下げられますが、そちらもあくまで飾り。
それを目印に死者が帰ってくるという考え方はありません。
浄土真宗のお盆いつまでお盆の飾りをすればいいのか?
お盆の飾りは盆提灯やお仏壇内の飾りも含めて8月盆だとしたら13日にはお飾りし、16日の朝には片付けましょう。
気の早い方だと8月の初頭には提灯を出される方もいらっしゃるようですが、問題はありませんが地方により決まりがある場合はそれに則って行うようにしてください。
初盆にお供えで頂いた盆提灯をいつまで飾ればいいのか?という疑問。決まりはありませんが、せっかく頂いたお気持ちなので三回忌くらいまでは少なくとも毎年飾りましょう。
浄土真宗のお盆聞きづらいお布施の金額相場は?
近畿、東海地方浄土真宗東西本願寺が多い地域で3000~5000円が多いようです。ちなみに阿弥陀経等をお勤めしてすぐに次へ行かれることも多いので、お茶を出すヒマもないこともあるようです(その間約15分)。
何件も門徒さんの家を廻る必要があるので「すぐ帰った!」と気分を悪くされませんように(笑)
封筒の表書きは年忌法要と同様に「お布施」がよろしいでしょう。サービスに対する対価ではないので回向料、読経料という書き方はしません。
正直な話 ここであまりにも大金を出してしまうと今後の法事(年忌法要)もその金額が基準となってしまいます。初盆でもMAXで10000円までにしておいた方がいいでしょう。
どこかのホームページで30000円って見たけど?
地域で決まっていたり、出したいならそれでいいでしょう。ですがインターネットで見たならそれは「お坊さんが作ったホームページでしょう」
あくまで私が住んでいる近畿地方での話です
浄土真宗のお盆最後にまとめると
地域的なお盆の風習もありますので、それを否定することはできませんが浄土真宗のお盆は「あの世から帰ってくるご先祖を供養する日」ではなく、ご先祖への感謝とお念仏の教えを聞き慶ぶ日としてください。
御供えや飾りが意外とあっさりしているのに驚かれるかもしれませんが教義的に不要なことを省いているだけであって、ご先祖をないがしろにしているわけではありません。
参考になれば幸いです。
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