浄土真宗の作法 線香を立てずに寝かせるその理由とは?答えは本山に
浄土真宗お線香を立てない理由とは?
浄土真宗のお線香の作法
浄土真宗ではお線香は香炉に立てて焚きません。香炉の大きさに合わせて適当な長さに折って寝かせるのが作法です。
Q:いったいどうしてでしょうか?
いきなり答え
本山にある常香盤(じょうこうばん)での焚き方を模しているからです。常香盤とは堂内で、お香の香りを絶やさないために使われる香炉です。
西本願寺の本堂では線香ではなく抹香(粉末状のお香)が本堂内では常に焚かれ、よい香りが絶えずただよっています。
一般のご家庭も作法や仏壇の荘厳(飾り方)は本山のやり方を参考にしましょうということです。
常香盤の使い方(燃香のやり方)
常香盤の全体像はこんな感じです。本山では阿弥陀堂のご本尊の前に設置されています。一般の寺院にも常用するところがあるかもしれません。抹香を炊くことを燃香といいます。
まず灰をかき混ぜて空気を入れる
香炉灰が固いままでは空気が回らず、すぐに抹香についた火が消えてしまうので、まずは灰をかき混ぜます。飛び散りますので新聞紙の上でやりましょう。
ゆすって灰を平らにならす
表面がデコボコだと後の工程で抹香の列がずれてしまったり枠の間から灰が飛び出しますので、平らにならしておきます。少し押さえてやや固くしておいたほうが、よいでしょう。フワフワ過ぎず、硬すぎず調整してください。
型枠をかぶせる
専用の型枠をかぶせます。前の工程でうまく平らにして少し固くしておかないと枠の間から灰が出てきてしまうので注意
溝を枠に沿って掘っていく
平たいヘラなどで溝を掘っていきます。溝の線と線とがちゃんとつながっていないと、途中で途切れて燃香が消えてしまう可能性がありますので丁寧に作業しましょう。
抹香を入れる
まんべんなく、抹香を入れていきますが、木片などを使って軽く灰の中に押し込んだ方が火の持ちがよくなります。終ったら型枠を取って完成です。
火種を置いて燃香開始
だんだんと火が導火線のように抹香を伝っていきます。ここで使ったものは小さいものですが、本山で使われているものは本堂が一般公開されている10時間以上に渡って燃香が続きます。もちろん毎日です。
わざわざ常香盤を用意しなくても、聞香用の簡易キットも売られています。いいお香を炊くとお家の中が清々しい香りで包まれます。また焚いている最中だけでなく、残り香もふんわりと残るので、お客様がいらっしゃる前に焚いてみるのもいいかもしれません。
参考になれば幸いです。
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