仏事 浄土真宗

師走の由来になった年末のお参りの名称とは?浄土真宗の歳末勤行 ろうそくの色や封筒の表書きなど

浄土真宗の年末のお参り

年末にお勤めするお参りについて

12月になり今年も残りわずかとなりました。12月の古い呼び方で師走(しわす)と言いますが

師走の有名な語源

いつもは落ち着いているお坊さんも12月のこの時期だけは法要などで忙しく走り回る様子から師走とされる

だそうです

そういえば そのお参りには何か名称があるのでしょうか?

そういえば 毎年なんとなくお参りしてもらってるわね
ばあちゃん

年忌法要でもないのに なんとな~く12月になるとお坊さんにお経をあげてもらっていた方必見です。準備するものやろうそくの色なども解説します。

実は私もわからなかったので お坊さんに聞いてみました(^^;

浄土真宗の 年末のお参りの名称

師走の語源の中にはお坊さんとはあり 浄土真宗とは限りませんが まずは浄土真宗的に考えていきたいと思います。

年末のお参りと言えば浄土真宗には報恩講(おとりこし、おひきあげ)があります。

報恩講は年末~年明けにかけて おうちでお勤めされますが これはたまたま親鸞聖人のご命日が年末年始だったからで11月初めくらいから2月末くらいまでの期間でお勤めされます。

※親鸞聖人の御命日:西本願寺は11月(旧暦)、東本願寺は1月(新暦)

仏壇屋
別に年末にお勤めしなければならない決まりはないわけです

年末限定ではないということで 例の年末のお参りから浄土真宗の報恩講は除外します。

また浄土真宗を含めて日本仏教全般に共通して12月8日はお釈迦様が悟りをひらかれたことをお祝いする「成道会(じょうどうえ)」という法座があります。

この成道会はおもにお寺で勤められますし、いきなりお坊さんが家に来てお釈迦様をお祝いする法要するって不自然ですよね(笑)

なのでこれも除外しておきます。

まずは浄土真宗本願寺派(西本願寺)の表白集を確認してみました

仏壇屋
表白とは年忌法要や四十九日の法要をする際 最初に読み上げる宣言文のようなものです

法事(年忌法要)が始まる前に「つつしみうやまって~」と読み上げるあの文言が載っています。

表白集には年末のお参りは載っていない

表白集(一)(二)おそらく浄土真宗のお坊さんなら誰でも持ってるやつです。

仏壇屋
ちなみに上記の本は西本願寺用です

表白集の目次 年末のお参りのページはない

年忌法要や報恩講のお参りは載っていますが 年末のお参りという表記は見られませんでした。

表白集に載っていた主なお参り

・報恩講(親鸞聖人のご命日の法要11月~2月)
・春秋の永代経法要(春分、秋分の日の前後)
・修正会(お正月の法要 三が日くらい)
・灌仏会(お釈迦様生誕の日 4月8日)
・宗祖降誕会(親鸞聖人の誕生日5月 普通はお寺でやる)
・年回法要(故人の命日を縁にお勤めする 随時)

年末のお参りの名称 お坊さんに聞いてみました

表白集にも年末のお参りの名称が載っていないということで 専門家であるお坊さんに聞いてみました。

お坊さんは12月は忙しい

Q,年末にお参りありますよね?報恩講とは違うやつ。あれなんていうお参りなんですか?

お坊さん 本願寺派(西) 40代
う~ん 報恩講以外にも年末の習慣としてお参りされる方もいらっしゃいますが…

と前置きしてから

年忌でも何もない時に頼まれてお勤めするお経を一座経といいます


年末のお参りとは?

一座経というワードを頂きました。しかし年末に檀家さんをまわるお経が仏教宗派共通で一座経でファイナルアンサーかどうかはわかりません。

※一座経は西本願寺の某別院のホームページでも確認できました

他のお坊さんにも聞いてみました。

お坊さん 大谷派(東) 30代

報恩講でもない年末のお経というと「歳末勤行」というものがあります。 お仏壇のお飾りをお正月用に整え 新年を新たな気持ちで迎えるための勤行です。

年末のお参りを質問

こちらは真宗の仏事(東本願寺出版)に載っていました

お内仏を丁寧に掃除し、上卓、前卓に打敷を掛け お華束(おけそく)のかわりに、お鏡もちを本尊の前にお備えします。また、親鸞聖人・蓮如上人の御影がある場合はその前にもお備えします。これらの準備をすませ、大晦日の夕刻に「歳末勤行」といわれるおつとめをします

仏壇屋
大晦日の夕刻と時間指定がありますが 今は置いときましょう

続きまして

お坊さん 曹洞宗 40代

よく単純に年末のお参りって呼称するけど しいていうなら「年末勤行」や「歳末勤行」かな? この1年を無事に過ごすことができましたとご先祖に報告と感謝する意味かね。


年末の勤行をお寺さんに聞く

ただし地方によって名前や目的は異なりますとのこと

仏壇屋
歳末勤行に2票入りました

西本願寺、東本願寺と曹洞宗のお坊さん3人中2人から歳末勤行というワードがでました。

年末のお参り=歳末勤行 本当は大晦日だけど前倒しでお参りするということでいいと思います(笑)

もちろん地域によって異なりますし サンプルが少なすぎるので暫定で…

見逃せない意見として

お坊さんが忙しい時

ただねえ 師走っていうけど 忙しいのは檀家まわりだけじゃないの!

11月頃になると境内の銀杏の木からギンナンが落ちて それが終わったと思ったら葉っぱが落ちて もみじの葉も落ちて掃いても掃いても終わらない!

お寺の掃除

写真はイメージです

仏壇屋
湧き上がる煩悩のようですね(あなたの)

本堂ももちろん掃除して 檀家さんに手伝ってもらって仏具磨きの会があってそれも目を離すわけにもいかないし

お正月の飾りにしないといけないし、修正会(お正月のお参り)の準備もしないといけないし、

お墓参りに来る人、年末のご挨拶に来る人に応対しないといけないし、護持会費のお知らせを年末に檀家全員に出すとを振込でお願いしてるのに直接持ってこられる人に領収書書いて、年賀状書いて、来年年忌にあたっている人にはお知らせしなくちゃいけないし

お坊さんお知らせを送る

だいたい檀家まわりだけでいうと年末よりもお盆(以下略)

仏壇屋
ありがとうございました

檀家まわりだけが忙しさの原因ではないようです。

年末のお参りお仏壇に何を用意したらいいのか?

真宗の仏事(東本願寺出版)によると

お内仏(お仏壇)を丁寧に掃除し、上卓、前卓に打敷を掛け お華束(おけそく)のかわりに、お鏡もちを本尊の前にお備えします。また、親鸞聖人・蓮如上人の御影がある場合はその前にもお備えします。

歳末勤行の準備

・お仏壇の掃除
・冬用の打敷を上卓、前卓に掛ける
・鏡餅をお供えする
・ろうそく、線香、お花を用意する

結局お正月の準備を年内に整えることなので 詳しくはお正月の飾り方を御覧ください。

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年末のお参り 封筒の表書きは?

暫定で年末のお参り=歳末勤行だと仮定すると

健康で一年を終えることができたということで封筒は黄白か白無地

表書きは「歳末勤行 御布施」またはシンプルに「御布施」「御法礼」がよろしいと思われます。

お布施の封筒

 

仏壇屋
暫定なので封筒の表書き「御布施」にしておいた方が無難です

年末のお参りのまとめ

年末のお参りまとめ

・年末のお参りの名称は歳末勤行(暫定)
・お正月の準備をしてからお勤めする
・封筒の表書きは「御布施」が無難
・師走よりもお盆の方が檀家回りは忙しい

引き続き名称については他の宗派のお坊さんに聞いたりしてサンプル数を増やしたいと思います。

※西本願寺の別院、東本願寺の別院に電話してみたところ 地域によって異なるという回答でした。(お世話になりました)

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