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浄土真宗の打敷の掛け方 飾り方と由来

法事の前の打敷の掛け方について

法事(年忌法要)や報恩講の際は打敷をかけましょう。…といわれても打敷ってなんだっけ?

ああ「花嫁が着る婚礼衣装か」(それは打掛です)

法事の前に慌てないようにあらかじめ用意しましょう。

まず打敷って何なのか?

お仏壇を荘厳(お飾り)するための仏具の一つで金襴で織られている煌びやかな布です。昔、お釈迦様の説法はいつも外で行われていました。その際お釈迦様は石の上に座ったり、地面に座ったりしていたので、見かねた弟子達がお釈迦様が座る場所に布を敷いたり、花を飾ったりしたのが打敷の原型だと言われています。

打敷はいつ掛ければいいのか?

普段は掛けなくてもいいですが、法事(年忌法要)、報恩講、お盆、お彼岸、お正月などに掛けるようにしましょう。基本的にお寺様にお参りに来ていただいたり、仏教行事がある時に掛けると思っていただいていいと思います。

法要の際に掛けるということと、掛け方は基本的に各宗派共通です。浄土真宗は三角形、浄土宗は四角形と一応の決まりがありますがその他の宗派は四角形が多いですが、地方によって異なるようです。
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打敷の掛け方

まず前卓(前机)という花立や蝋燭立が載った台をお仏壇から取り出します。お仏壇に入れたまま打敷を掛けようとすると、落としたり思わぬ事故が起こりやすいので必ず取りだしてから打敷を掛けるようにしましょう。
前卓を取りだす
次に前卓の上部の板(下須板や天板といいます)を外します。固定してあるわけではないので簡単に外せます。
打敷を掛ける準備
打敷の白い布の部分を本体の黒塗り部分と上部の板の間に挟みこみます。ちなみにこの打敷は抱き牡丹の紋が入っているので大谷派(東本願寺)用です。宗派紋が入ってなければ基本的に各宗派で使えます。
打敷を挟む
上下から挟み、両端のはみ出した部分をななめに織って形を整えます。
打敷の形を整える
打敷の飾り方東本願寺
※この形にする理由はわかりません。お寺でも京都の本山でも法要時はこのようにしていますのでお寺の内陣に倣って荘厳するのが作法になっているのだと思います。

上卓の方にも同様に小さいほうの打敷を掛けます
上卓に打敷

仏具を元に戻して完成

打敷完成

夏用と冬用を季節によって使い分ける

打敷には夏用と冬用がありますので季節によって使い分けましょう。人の衣替えに合わせて掛けかえる地方、春秋のお彼岸で掛けかえる地方様々で厳格な決まりはありません。お寺の法要を見ても去年の秋の永代経は夏用だったのに今年は冬用だなあ…という時もあります。

浄土真宗は報恩講だけは季節的に必ず冬用となります。またお盆も地域を問わず夏用です。

夏用打敷▼

薄手で白っぽい布で織られているのが夏用です。宗派紋が入っていなければ、基本的に本願寺派も大谷派も共通です。
夏用の打敷

冬用打敷▼

厚手の金襴で織られています。色も金、朱、茶、紫など様々です。
浄土真宗冬用の打敷
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報恩講の時は特に豪華に

浄土真宗の大切な法要である報恩講の時は打敷の下にさらに下掛け(水引)を掛けます。緑色の四角い布がそれです。
浄土真宗報恩講の打敷

打敷を購入する際気をつけたいこと

前卓の横幅を計ってから仏具店へ行きましょう。大体このくらい…では店の人にも判断できませんし、五十代や百代という規格もありますが、京都と名古屋では寸法が異なりますので計っていった方が間違いがありません。打敷の両サイドは必ずはみ出しますので早とちりして返品に行かないようにしましょう(笑)

また宗派紋が刺繍してある打敷はその宗派でしか使いませんので家の宗派も伝えたほうがいいでしょう。

打敷の掛け方たまに見る間違い

前卓の下に打敷を敷いているおうちをたまに見かけます。前卓の下には敷きません。
内式の敷き方間違い

なお中国地方では前卓を使わない地域もありますので適宜調整してください。上卓も掛けない場合がありますので詳しくはお寺様とご相談下さい。

下の写真の並べ方は広島出身の方にお聞きしました。前卓は使わず打敷を板で押えて金香炉を配置する方法です。線香蝋燭は前の方で炊きます。
※余談ですが広島では浄土真宗は大谷派(東本願寺)よりも本願寺派(西本願寺)のお寺の方が圧倒的に多いそうです。
広島仏壇飾り方

お仏壇をきちんと荘厳してお参りを迎えましょう。
参考になれば幸いです。

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