浄土真宗 雑学

浄土真宗の写経について※般若心経ではありません

浄土真宗の写経について

お経を自らの手で書き写す写経。まず最初に写経と聞いて思い浮かべるのは般若心経ではないでしょうか?写経=般若心経というイメージを持つ方も多いと思います。

あまりにも写経としてもメジャーなので、ご家庭でなぞり書きで手軽に写経ができるキットも販売されています。
般若心経を写経
写経の目的はお経を書き写すことにより、功徳を積んだり、納経といって書いたお経をお寺に納めることによって大願成就を祈ったりします。つまりなんらかのご利益を求めているわけですね。

そもそも浄土真宗では功徳を積むとか、私欲のためにご利益があるという考え方もありませんし、般若心経を唱えたりもしません。

般若心経をあげない理由は般若心経のおおまか意味が↓

舎利弗よ!この世は空である。肉体も精神も実体は何もない。
それを理解すれば老いも病気も死も苦にはならない。
それに早く気づいて彼岸に渡る智慧を完成させなさい。

といった感じなので、自力で気付こう悟りを開こう!ではなく南無阿弥陀仏と唱えて阿弥陀様にお救い頂こうという考え方の浄土真宗では般若心経は重視していないのです。

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では浄土真宗では写経はしないのか?というとそういうわけではありません。手軽に写経を楽しめる本も出ています。

正信偈のお手本をなぞり書きできる写経用紙

書いて味わう正信偈

実際に文字を書き込むタイプの本、正信偈の現代語訳や用語解説が併記されているので書いて意味を理解して内容を味わうのに最適です。

このようにおなじみの正信偈を写経することができます。もちろん、写経したんだから先祖供養になった!とか阿弥陀様に願いが届いたかも!?とかそういう考え方は浄土真宗ではしませんのでご留意ください(笑)

※正信偈は正確に言うとお経ではなく浄土真宗のお念仏の教えや七高僧を讃えた偈文で漢詩に節がついた歌のようなものです。

本当に写経をするなら 書いて味わう阿弥陀経

先ほど正信偈はお経ではないと解説しましたが、阿弥陀経はれっきとしたお経です。「写経」にこだわるならこちらから始めてみるのがいいかもしれません。

阿弥陀経とは、お釈迦様が弟子の舎利弗にお浄土の美しい様子、そしてお浄土にはどうすれば生まれることができるかを語りかける内容。用語や現代語訳付もついています。

正信偈や阿弥陀経が長いな…と思われる方は入門編として讃仏偈や重誓偈から写経されては如何でしょうか?どちらも短いお経(正確には偈文)です。

讃仏偈(さんぶつげ)
文字通り仏さまを讃える内容で浄土真宗のよりどころとする経典の一つ「仏説無量寿経」の中に含まれる四言八十句の偈文(うた)です。

重誓偈(じゅうせいげ)
阿弥陀さまはすべての人を救うため、四十八の本願をおこされました。そして心貧しく悩み苦しむ人々を救うことができなければ決して仏にはならないと重ねて誓われたという内容です。

上記を踏まえて浄土真宗のお経を写経する目的

・称えるだけでなく書くことで浄土真宗のお経の意味を深く味わえる
・筆で文字を書くため精神が集中しリラックス効果がある
・筆文字の練習になり字が上手になる
※すべてかもしれませんです

浄土真宗の写経字がうまくなくても大丈夫

浄土真宗を開かれた親鸞聖人も阿弥陀経や無量寿経を写経されています。
さすがお上手!…と思いきや、なんだか独特の癖字です(笑)
阿弥陀経写経
(写経というより印刷技術が発達していない時代であったため、お経を書き写して普及に努めたという目的であったとも考えられます)

ちなみに写経で書き間違えたときの修正のルールはこちら

繰り返しますが浄土真宗では先祖供養や功徳を積むという考え方はしませんので、そういった意味での写経は行いません。

受験勉強の時に経験がありますが、ただ読むよりも声に出して読んだり自分の手で何度も書いた方が頭に内容が入ってきたのではないでしょうか?より深く浄土真宗の教えを味わうためにご活用下さい。

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